私は高校卒業後、介護福祉士として17年間勤めておりました。
今後年齢を重ねた時に介護の仕事は難しいと思い、介護の経験が活かせる仕事として納棺師に転職しました。
納棺師としてはお体のお手当、お化粧、お召し替え、故人様の洗髪や納棺の儀式を行っていました。そのような納棺師としてのお仕事を通じて、「大切なご家族を亡くされたご遺族の方々にどうしたらもっと寄り添う事が出来るのか」といつも考えていたように思います。
亡くなられて間もない、ご遺族のお心の整理がついていない状況で私は何が出来るのか…お手当や死化粧をする事でご遠族の中の故人様と違ってしまうのではないか…そんな想いとともに納棺師として働いておりました。
介護士、そして納棺師の経験が現在の葬祭ディレクターとしてのお仕事に活かせる事が多く、この過去があったからこそなのだと考えております。
私が小学5年生の時に父親が突然死で他界しました。あの時の自分にはどうすることもできませんでしたが、その後悔は30年経った今でも小さくなることはありませんでした。
今となっては父親の声も手の感触を思い出すことができなくなりましたが、ご遺族の方には私のような後悔をしてほしくありません。
限りある時間の中で故人様とのお時間をゆっくり過ごしていただけるように、また、ご遺族の方が前を見て歩けるように後悔のないお見送りのお手伝いをしていきたいと思います。