つむぐぶろぐ

父と交わした最期の約束

2024年08月04日

家族葬専用式場 つむぎ菜根の竹中紗智と申します。

 

この度、お見送りのお手伝いをさせていただきました故人様は、 ご遺族様が、一言で「仕事人間」と言いきれてしまう程に仕事一筋で人生を歩まれた方でした。

 

真面目に、まっすぐに職人として歩まれる中、余暇には四季折々の花々を楽しまれていた一面も。
お預かりさせていただいたカメラのデータには、各所の素晴らしい景色が広がっておりました。

 

桜並木

 

そのお写真の中には、お子さんの仕事をされているお姿や、満面な笑顔でケーキをほおばるお孫さん達の姿が映っておりました。
お写真を拝見する限り、とても愛情深い方だったことがひしひしと伝わってまいりました。
目を細め、お孫さん達の成長を見守り、ご家族皆様で沢山のお時間を過ごされていたんだと思います。

 

 

お子様とお打ち合わせを進める中で、故人様の生前のご意向があった事、そしてそれが最期の約束だったと伺い、「お身内だけの家族葬」にて執り行わせていただきました。

 

故人様が生前、杖を使用されていたと伺いましたが材質によってお持たせが難しかった為、代わりに金剛杖をご用意。
白木のままでは無く、皆様で色を付けていただき、それぞれの想いをご記入いただきました。

 

 

金剛杖とは別名:孫杖とも呼ばれることがございます。
まるで杖をついた姿が(お子様、お孫様と手を繋いでいる様に見える)ことや、(お子様が故人様を支えている様に見える)ことから【孫杖】と呼ばれる由来になったそうです。

 

 

職を付けたその手、沢山の愛情をくれたその手、沢山繋いだ温かなその手…。
これからの旅路を無事に終えられるよう、お孫様から特製金剛杖をお手向けいただきました。

 

可愛がっていたわんちゃんの肉球メッセージも、胸元へお持たせいただきました。

 

 

最期に果たした親子の約束。
何にも変えられない、大切な大切な想い出の1ページでございました。

 

この度はつむぎにて大切なお時間をお過ごしいただき、心より御礼申し上げます。

 

福島エリア代表
葬祭ディレクター 竹中紗智