先日、お見送りのお手伝いをさせて頂いたお客様のお話です。
故人様はご病気のため、入退院を繰り返されたのちのご逝去でした。
お亡くなりになられる3日前、今回のお葬儀で施主となられる奥様が相談にいらっしゃいました。
寒い日の夕方・・・とても不安げな表情で入ってこられたことを記憶しています。
お話を聞かせていただく中で
「もしもの事があった時に家に連れて帰ってあげたいけど…それは難しい でも…家に連れて帰ってあげたいな…」
そのお言葉が忘れられませんでした。
お葬儀の日を迎える数日前、奥様にご提案をさせていただきました。
「よかったらご主人と一緒に、もう一度お二人が暮らした家を見に行きませんか?」
その言葉を聞いて涙を流される奥様。
「もう家を見せてあげられないと思ってたから本当に嬉しい…!」
お二人のご自宅へのドライブの日、遺影写真の背景と同じ青空となりました。
好きだった歌手の歌を車内で流しながら、ご自宅へと戻られました。
納棺の儀式の中で、退院したら飲むのを楽しみにされていたというお酒でお口元を潤していただきました。
また、お風呂には入浴剤を入れるのが好きだったという故人様。
湯灌の儀式では、奥様に入浴剤を選んでいただき湯灌をさせていただきました。
今回、つむぎ菜根の広告を見た故人様が「つむぎ菜根オープンしたらしいよ」というお話をされたことから、奥様が相談にいらしてくださったそうです。
ご遺族の皆様とつむぎ菜根のご縁を故人様がつむいでくださりました。
担当葬祭ディレクター:吉田瞳